まな板とカッティングボード?
久しぶりにまな板を作ろうとして
色々調べてみて、まな板とカッティングボードの違いは?
やはり日本の木の文化と西洋の文化の違いに気づきました。
日本のまな板の適材適所の材種は、1に、柳、2が、朴木、3が、銀杏と
習っていたのですが、最近は、抗菌作用がある、ヒノキやヒバの木が、人気だとか。
きれいに鉋をかけて、水を弾く位の削りをしてても
使ってるうちに包丁が、当たっている部分に雑菌がついて黒く変色してきます。
変色しないようにするのには、熱湯をくぐらせて殺菌して乾かす必要が、ありますが
その手間が敬遠されるようになり、また、包丁の刃がが当たって摩耗していくと中央部が
凹んでいくので、水気がたまり見た目がよくありません。
ひと昔まで、鉋で削り直してと依頼されて、直しもしていたのですが・・・・・。
削り直して、平面を維持するのは、まな板の厚みが、必要なのですが一寸(30ミリ厚)
の板にすると重いと嫌われるように・・・・・。
それと、板目板は(木目の間隔が広い板)反ってしまい、両面使いが出来なくなります。
柾目で、細目の木材は、100年以上の年輪を持ってまっすぐに成長した良木からしか
製材できません。(板目板の方が、歩留まりが良く、柾目板を取ろうとすると歩留まりが悪く
手間もかかる)
結局、柾目板は値段が、1.5倍位になるので、敬遠されるように・・・・・。
そこで、写真のカッティングボード(まな板)は、スプルース(北米産針葉樹。幹回り1メートル以上)の
柾目板。木目の間隔が、1ミリ以下の細目で、気乾乾燥材。最も最高ランクの所は
楽器用のMマークが、施されています。(有名なところは、ピアノの響板、バイオリンやギターの響板等)
板の厚さは、18ミリ。幅は、24cmくらい以下、長さは、35cm以下に抑えて
重さが適切で、反りが出にくくメンテナンスしやすいサイズに絞り込みました。
木口(切り口)は、木口鉋を掛けて、10ミリRの丸面に仕上げました。
まな板の良いところは、刃を傷めない所。
また、出来るだけ、永く使えるようにお米を精油した安全塗料
の「キ〇カ」を塗布しています。
スプルースの和名は、「新榧(カヤ)」
刃受けが良く、日本でも楽器や建具材とかに使われていました。
只、ここ数年のウッドショック以来、2倍は値が上がり高級材の
仲間入りしてしまい良材は、入手しにくくなりました。
私の実父は、60年以前から木工業を生業にしてきました。
家具屋、建具屋を経て、大手照明器具メーカーの木製照明器具の
製造を請け負うようになり、大阪南港の貯木場で、原木を筏買い
製材して、乾燥して一貫製造するようになりました。
月産、5000本くらいの木製照明器具の生産をしていましたが
そうした、時代は永く続くわけがなく
父が、無くなると時代が、代わり木製の照明器具の人気は
プラッチック製品にとってかわられました。
私は、その時代の製材された、残りの材料(スプルース)の
幅広材をまだ持ってるため
有効利用の一つとして
まな板カッティングボードを作ろうと
考えました。